君はいつも僕からもらってばかりだなんて言っていたけれど、そんなことはなかったって君は知っていただろうか。僕があげたものなんて本当は何もなくて、ずっと空っぽみたいなものだったんだよ。君が僕を満たしたってこと、君は知らないだろう?君はいつも偉大で、どんな言葉を吐いても返しきれそうにないと思ってた。いつも言葉にしたとたん、気持ちのすべてが軽くなるような不安に駆られて、でも君はそんな僕の言葉でも目を細めて笑んでくれた。そうしてもらうたびに僕は、言葉がなくても君の思うことがわかって、言葉でしか伝えられない自分の未熟さを知ったんだ。裏でこんなおかしな劣等感を抱えてたなんて、君が知ったらなんて言うかな。
不思議なことにね、今は「ああ、やっと返せる」なんてひどく安堵している自分がいるんだ。君はこんな僕を残酷に思うのかもしれないけれど、それでも僕はこんな結末をたどらなくても、確かに君の望む永遠は全うできると思ったんだ。
「だから、生きてほしい」
0コメント